前回のおさらい。
《ケース》
世帯構成 独居
年齢 89
家族 妻 昨年他界
長男・長女は県内在住
居住 市街地
築年数 50年
お母さんは、国民年金月5万円、預金ほぼなし。
このため、息子さんが支援をしている。
課題は、
「親が、介護施設へ移った後、実家を売却したい」
でしたね。
課題を解決するための方法は
①成年後見制度
母が認知症になった後に利用。
後見人が自宅を売却。ただし、母が死亡するまで後見人が継続。後見人は毎年、家裁へ報告書を提出。後見人が専門家の場合、年24万円以上の報酬が必要。
②任意後見制度
母が元気なうちに契約。母が認知症になった場合、監督人が就任。後見人が自宅を売却。ただし、母が死亡するまで監督人に報酬が発生。3カ月毎に監督人に報告書を提出。
③家族信託
母が元気なうちに契約。母が認知症になっても、受託者である子が自宅売却が可能。子に対して報酬は支払わなくてよい。信託財産の帳簿作成が必要。
④なにもしない
母が介護施設移住後、自宅売却は困難になる可能性大。母が亡くなり、相続手続き完了後、相続人による売却。
《今回選択した方法は》
③家族信託
でした。
家族信託であれば、
息子さんが自分名義で実家の売却が進められます。
売却したお金で母の介護費用をまかなうことができます。
親子なので、継続する費用はいりません。
もし、①②を利用した場合、実家を売却できますが、
・売却後でも、制度をやめられない
・専門家が継続的に関わることで、毎月費用が発生する
④の場合、空き家化します。
今回のケースでは、
家族信託が最も良い選択肢だと思いました。
もちろん、それぞれの家族によって、正解は変わってくると思います。
このように、
親と子で事前準備をすることで、
空き家を予防することは可能になります。